失敗から学ぶユーザインターフェース (出版社紹介ページへ)
色々な本を読んでいるが,基本的に自分にとっては有益でも他人にとってはどうか分からない本は紹介しないようにしている.しかし,この本はUIに関わる人であれば必ず読むべきだと思ったので紹介しておく.
この本をざっと読んで思ったのが,よくもこれだけ可笑しなユーザーインターフェースを集めたものだ,ということだ.この本に載っているユーザーインターフェースを見れば,おそらく多くの人は,「誰だっ,このユーザーインターフェースを設計したのは!」と言いたくなるだろう.(某料理漫画の人物を思う浮かべて欲しい).
しかし,この本を読まず,色々なユーザーインターフェースを考慮せず,自分で良いと思うユーザーインターフェースを考えてデザイン優先でユーザーインターフェースを作ると,こういうことが起こるのでは,と思うのも確かだった.
自分が良いユーザーインターフェース,良くないユーザーインターフェースについての講義を受けたのは10年も前になるが,未だにそういったものが世の中にあふれていることを考えると,未だに多くのユーザーインターフェースデザイナーは見た目でユーザーインターフェースを考えていて,ユーザーがどう受け止めるか,アフォーダンスを考慮できていないのではないか,と考えてしまう.
10年前に受けた講義以降,ときおり遭遇したユーザーインターフェースについての善し悪しを考えるのだけれど,未だにどう見ても押すデザインなのに引く必要があったり,引くか押すかのデザインに見えるのにスライドするドア,なんてものがあったりする.
ちなみに,自分の知っているユーザーインターフェースデザイナーはそういった点も考慮した上でのデザインを考えているので,皆がそうだとは思えない.
とにかく,ユーザーインターフェースデザイナーもユーザーインターフェースプログラマーも,是非,この本は読んでみてもらいたい.(とりあえず会社では紹介しておこうと思う).
最後に一言を言うとすれば,タイトルのユーザは情報系では常識なものの,この本を読むであろうユーザーインターフェイスデザイナ的にはユーザーの方が良かったのでは,と言っておきたい.
(。ではなく.を使うのは情報系の日本語論文はそうするものだ,と教えられた癖である).
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