著者曰く,証明問題を計算や式変形でなんとかしようとする理由を考えていたところ,そもそも証明の書き方を学んでいないのではないか,というところからこの本を書くに至ったそうです.
また,著者はプログラミング作法の訳者が指導教員だったらしく,書名もそこから取ったそうで,プログラマにとってもちょっと興味が惹かれる本です.
証明をプログラムのようにインデントを使って書いているのも特徴です.
証明というのは,ルールに従って仮定から証明したい命題に辿り着くまでの構造を作る,という点では確かにプログラムに似ていて,色々な例も書いてあるので,ある程度論理学などに触れたことがあれば読みやすい内容だと思います.
ただ,非常に抽象的です.証明の構成方法の解説のほとんどがφやχなど記号だけを使って説明しているので,抽象的に考えることに慣れていない人には難しいかもしれません.
最近Udemyで命題論理に関する講義を受けてみたのですが,そちらは逆に具体的な例を大量に使っていました.それはそれで長すぎる気もしたので,個人的には抽象的な方が好きです.
この本を横に置きながら,他の数学書の証明問題を読んでみるのも良いかもしれないですね.
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